はじめての公開第07章 ・ 読むのにかかる時間 約8分

独自ドメインとお金の話

無料でどこまでできるのかを数字で

前の章までで手に入れたURLは my-first-site.あなたの名前.workers.dev でした。動くけれど、名刺には書きたくないですよね。この章で自分のドメインに変えます。そして、ずっと気になっているはずのお金の話に、数字で答えます。

この章でできるようになること

  • 自分のドメインを用意して、公開したページに割り当てる
  • 無料でどこまでできて、どこから有料なのかを数字で言える
  • 「知らないうちに請求が来ないか」という不安に、自分で答えを出せる

ドメインを持つには、2つの道があります

ドメインは、年単位で借りるものです。買い切りではありません。道は2つです。

  • Cloudflareで買う… 一番手数が少ない道です。買った瞬間からCloudflareの管理下にあるので、つなぐ作業がほぼ不要です
  • 他社で買って、Cloudflareに向ける… すでに持っている場合はこちらです。「ネームサーバー」という設定をCloudflareのものに変えます

これから買うなら、Cloudflareで買うのをおすすめします。理由は、Cloudflare Registrar原価で売っているからです。公式は「ドメイン価格に一切上乗せしない。レジストリとICANNが課す料金だけを支払う」と説明しています。さらに、他社だと有料オプションになりがちなWhois情報の非公開(個人情報の伏せ字化)が無料で付いてきます。

ネームサーバー

第2章で出てきた電話帳(DNS)の、どの帳簿を見るかを決める設定です。「このドメインの住所は、Cloudflareの帳簿に聞いてください」と世界に宣言するものだと思ってください。他社で買ったドメインをCloudflareで使うときは、ここを書き換えます。反映まで数時間かかることがあります。

ドメインを、公開したページに割り当てる

ドメインが手に入ったら、それを第5章・第6章で公開したものに結び付けます。ここはCloudflareの管理画面でもできますが、Claude Codeに頼むほうが早いです。

Claude Codeにこう頼みます

公開済みの my-first-site に、自分のドメインを割り当てたいです。ドメインは(ここに自分のドメインを書く)です。すでにCloudflareのアカウントに追加してあります。 これまでの workers.dev のURLも、引き続き使えるようにしておいてください。 設定に必要な作業を実行して、私がブラウザ側でやるべきことがあれば、それも日本語で教えてください。反映を確認する方法もあわせてお願いします。

割り当ては、数十秒で終わります。https://あなたのドメイン で、さっきまでworkers.devで見ていたページが開きます。httpsの鍵も自動で用意されます。証明書の申請も、更新の管理も、あなたはやりません。ふつうは手続きが要るところなので、ここは素直にありがたい部分です。

依頼文に1行足してある理由

上の依頼文に「workers.dev のURLも引き続き使えるように」と書きました。これには理由があります。

独自ドメインを割り当てると、それまでの workers.dev のURLは、既定で無効になります。設定でそう決まっているからで、故障ではありません。ただ、知らずにやると「さっきまで開けたURLが急に開かなくなった」と焦ります。人に共有済みのURLがあれば、なおさらです。

両方を残したいなら、その旨を伝えるだけです。1行足しておけば、慌てずに済みます。

うまくいったか確認する

  • 自分のドメインをブラウザに入れると、作ったページが表示される
  • URLの左に鍵マークが出ている(httpsで通信できている)
  • 末尾に /api/hello を付けると、第6章で作った時刻が返る
  • 元の workers.dev のURLも開ける(両方残す指定をした場合)

お金の話を、数字で

ここが一番知りたいところだと思います。曖昧にせず、公式の数字で書きます。

使うもの無料でできる範囲超えたらどうなるか
Workersページの公開・処理 1日100,000リクエスト1回の処理につきCPU時間10ミリ秒まで その日はエラーになって止まります課金には切り替わりません
R2ファイルの保管 10GBの保管書き込み系100万回/読み取り系1,000万回(月あたり) 操作がエラーになります見られた分の通信料は、そもそも無料です
ドメイン 無料の範囲はありませんここだけ実費です 年に1回、更新料がかかりますCloudflareは原価で販売

大事なのは真ん中の列ではなく、右の列です。Cloudflareの公式ドキュメントは、無料プランの上限について「いずれかの上限を超えると、その種類の操作は以降エラーになります」と書いています。勝手に有料プランに切り替わって請求が来る、という仕組みではありません。

有料に上げたくなったときは、Workers Paidが月5ドルからです。ただ、個人の作品づくりでこの上限に当たることは、まずありません。1日10万リクエストは、そこそこ人気のあるサイトの水準です。

「知らないうちに請求が来る」が怖い人へ

クラウドの怖い話として、うっかり大量アクセスされて何十万円の請求が来た、という体験談を見たことがあるかもしれません。あれは主に通信量(見られた量)に課金されるサービスで起きます。

Cloudflareの無料プランは、そもそも上限を超えると止まる作りです。そして第9章から使うR2は、見られたときの通信料がかからないという設計になっています。バズって困る、という種類の心配は、この教科書の範囲では起きません。

それでも不安なら、Cloudflareの管理画面で使用量を見られます。月に一度眺めるだけで十分です。

よくあるつまずき

独自ドメインにしたら、workers.devのURLが開かなくなった
故障ではありません。独自ドメインを割り当てると、workers.dev は既定で無効になります。両方使いたい場合は「workers.devのURLも引き続き使えるようにしてください」と頼めば、すぐ戻せます。
ドメインを入れても、前のサイトが表示される
あなたのブラウザが前の情報を覚えています。シークレットウィンドウで開くか、スマホのモバイル回線で開いてみてください。それで正しく出れば、設定は成功しています。
他社で買ったドメインが、いつまでもつながらない
ネームサーバーの変更は、世界中に伝わるまで時間がかかります。数時間から、長いと1日ほど見てください。焦って設定を変えると、かえって遠回りになります。
DNS_PROBE_FINISHED_NXDOMAIN
「そんな住所は帳簿に載っていません」という意味です。ドメインの綴りを確認して、それでも出るなら、まだ反映されていないだけの可能性が高いです。
保護されていない通信、と警告が出る
http:// で開いている可能性があります。https:// を付けて開き直してください。

Part 2のまとめ

ここまでで、あなたは自分のドメインを持ち、そこに自分のページを公開し、その中に小さなプログラムを1つ動かしています。かかっているお金は、ドメイン代だけです。

次のPart 3から、この教科書の本題に入ります。ファイルを置く話です。画像をアップロードして、世界に配れるようにします。

章末チェックリスト