Cloudflareの地図
サービス名の地図
たくさんある名前を4つのグループに畳む
Cloudflareの管理画面を開いて心が折れる理由は、ほぼこれです。名前が多すぎる。Workers、Pages、R2、KV、D1、Images、Durable Objects、Queues。初見で意味がわかるものが1つもありません。
でも、これは覚えるものではありません。4つのグループに畳んでしまえば終わりです。この章を読んだあと、あなたが実際に使うのは3つだけになります。
この章でわかること
- Cloudflareのサービスを4グループに分けて見る方法
- この教科書で実際に使う3つはどれか
- PagesとWorkersが紛らわしい問題の、いまの答え
4つのグループに畳む
どのサービスも、この4つのどれかです。
横にスクロールできます
グループ1:届ける
作ったものを人に見せるための、入り口と道です。ドメインをつなぐ(DNS)、コピーを各地に置いて速くする(CDN)、そして静的なページやファイルをそのまま配る役目がここに入ります。
第5章であなたが最初にやるのは、まさにこれです。設定はほとんど要りません。
グループ2:動かす
その場でプログラムを実行して、答えを作って返すグループです。中心にいるのがWorkersです。
- Workers:アクセスが来たら動く。この本の主役の1つ
- Cron Triggers:決まった時刻に自動で動く(毎朝6時に何かする、など)
- Queues:重い仕事を順番待ちの列に並べて、あとから処理する
- Workers AI:AIモデルをCloudflare側で動かす
この本で使うのはWorkersだけです。残りは「そういうものが用意されている」とだけ知っておけば十分です。
グループ3:しまう
データを置いておく場所です。ここが初心者にとって一番ややこしいので、第8章をまるごと使って比べます。今は、種類が違うということだけ押さえてください。
- R2:画像・PDF・動画などのファイルの倉庫。第9章からの主役です
- KV:小さなメモを名前で出し入れする、付箋の束のようなもの
- D1:表計算のような、行と列で管理するデータベース
- Images:画像専門。サイズ変更や軽量化までやってくれます(第13章)
グループ4:守る・見る
怪しい通信を止める仕組みと、状況を確認するための表示です。ありがたいことに、基本的な守りは何も設定しなくても最初から効いています。この本では、パスワードのような秘密の情報を安全に扱う方法だけ、第13章で触れます。
あなたが実際に使うのは、この3つだけです
24個の名前を全部覚える必要はありません。この教科書で手を動かすのは、この3つです。
- Workers(静的アセット)… 作ったページをインターネットに出す(第5章)
- Workers… アップロードを受け取ったり、画像を返したりする係(第6章・第10章)
- R2… 画像やファイルをしまっておく倉庫(第9章〜)
残りは、必要になったときに戻ってくれば大丈夫です。地図は、全部歩くために持つものではありません。
紛らわしい問題:PagesとWorkers、どっちを使うのか
調べているとき、必ずぶつかります。「静的サイトを公開するならCloudflare Pages」と書いてある記事と、「Workersで公開する」と書いてある記事の両方が出てくるからです。
結論を言います。これから始めるなら、Workersです。
Cloudflareの公式ドキュメントに、はっきりこう書かれています。「Workersが静的アセットの配信とサーバーサイドレンダリングの両方に対応した今、新しく始めるならWorkersから始めるべきです。Cloudflare Pagesは今後もサポートされますが、今後の投資・最適化・機能開発はすべてWorkersの改善に向けられます」(Migrate from Pages to Workers)。
つまり、Pagesは今も動きますが、新しく作るものはWorkers側に寄せていく流れです。この教科書もWorkersで進めます。ネットの記事にPagesが出てきても、混乱しなくて大丈夫です。同じことを別の入り口でやっているだけです。
静的アセット
「あらかじめ作ってある、誰が見ても同じファイル」のことです。HTMLファイル、画像、飾り付けのファイルなど。第2章で出てきた「静的」と同じ意味です。Workersにこれを持たせると、置いておくだけで配ってくれます。
管理画面の名前が変わっていても、慌てない
Cloudflareは変化の速いサービスです。画面の項目名や場所は、しばらくすると変わります。この教科書のスクリーンショットと違う画面が出ることも、正直あります。
そのときは、名前ではなく役割で探してください。「ファイルを置く場所を探している」なら、それはグループ3です。管理画面のどこかに、必ずファイル置き場を意味する項目があります。この4グループの地図は、名前が変わっても効きます。
この章のまとめ
Cloudflareのサービスは、届ける・動かす・しまう・守るの4つに畳めます。この本で使うのはWorkersとR2、そして画像を整えるImagesです。PagesとWorkersで迷ったら、これから始める人はWorkersを選びます。
ここまでが地図です。次の章から、いよいよ手を動かします。まずは道具を2つ用意するところからです。
章末チェックリスト
Part 1は読了です。次の第04章から、実際に手を動かします。