Cloudflareの地図
Webサイトが表示されるまでの数秒間
サーバー・DNS・CDNを日常のたとえで
URLを入れてEnterを押してから、ページが出るまで。体感では一瞬ですが、その裏では毎回きっちり同じ手順が踏まれています。この手順を一度だけ通しておくと、この先に出てくる言葉がほとんど自動的につながります。
この章でわかること
- ページが表示されるまでの4ステップ
- ドメイン・サーバー・DNS・CDNが、それぞれ何の役をしているのか
- 「静的」と「動的」の違い(この先ずっと出てきます)
登場人物は4人だけです
難しそうな言葉が並びますが、役割で言えばこれだけです。
- ブラウザ:あなたのパソコンやスマホで動いている、ページを見るためのアプリ
- DNS:住所を調べる電話帳
- サーバー:中身が置いてあるコンピューター
- CDN:各地にある、中身のコピー置き場
横にスクロールできます
ステップ1・2:住所を調べる
example.com のような文字は、人間が覚えるためのものです。コンピューター同士は、この名前では相手を見つけられません。実際の通信には 104.16.132.229 のような数字の住所を使います。
そこで、名前から数字を引くための電話帳が必要になります。それがDNSです。ブラウザは「example.com の住所を教えて」とDNSに聞いて、数字を受け取ってから、はじめて通信を始めます。
ドメイン(ドメイン名)
example.com のような、サイトの名前です。年間1,000円台から自分のものにできます。第7章で、自分のドメインをCloudflareにつなぎます。
IPアドレス
104.16.132.229 のような数字の住所です。人間が覚える必要はありません。DNSが名前から引いてくれます。
ステップ3・4:中身を取りに行く
住所がわかったので、中身をもらいに行きます。ここで登場するのがサーバーです。
サーバー
ページの中身を置いてあって、聞かれたら渡す係のコンピューターです。特別な機械ではなく、24時間電源が入っていて、常にインターネットにつながっているコンピューター、と考えて差し支えありません。
ただ、毎回サーバーまで取りに行くのは、遠いと時間がかかります。そこで登場するのがCDNです。世界各地にコピーを置いておいて、近い場所から返します。第1章の「近所の営業所」の話です。
キャッシュ
「一度取ってきたものを、しばらく手元に置いておくこと」です。CDNがやっているのは、まさにこれです。よく使われる言葉なので、覚えておくと得をします。第13章で、画像のキャッシュを自分で調整します。
Cloudflareは、この流れのどこにいるのか
ここが面白いところなんですよね。Cloudflareは、この登場人物のうちDNSもCDNも、そしてサーバーの役まで引き受けられます。
- DNS … Cloudflareに任せられます(第7章)
- CDN … Cloudflareの標準機能です。設定不要で効きます
- サーバー … Workersが代わりに答えを返します(第6章)
- 置き場所 … 画像やファイルはR2に置きます(第9章)
つまり、この教科書を読み終わるころには、この図の登場人物がまるごとCloudflareの中で完結しています。借りるサーバーはありません。管理する機械もありません。
「静的」と「動的」の違い
この先ずっと出てくる区別なので、ここで押さえます。難しくありません。
静的(せいてき)は、誰が見ても同じものです。会社の紹介ページ、置いてある画像、PDFのメニュー表。あらかじめ作っておいて、聞かれたらそのまま渡せます。コピーを各地に置いておけるので、CDNと相性が抜群です。
動的(どうてき)は、見る人やタイミングで中身が変わるものです。ログインしたあとのマイページ、検索結果、「現在の登録者数は◯人です」といった表示。渡す前に、その場で作らなければなりません。
この2つは、置き場所も作り方も変わります。整理するとこうです。
- 静的なもの … 置いておくだけ。Cloudflareに置けばそのまま世界に配れます(第5章・第9章)
- 動的なもの … その場で作る係が必要です。それがWorkersです(第6章)
ちなみに、あなたが第5章で最初に公開するのは静的なページです。置くだけで動くので、いちばん転びにくいところから始めます。
この章のまとめ
ページが出るまでの流れは、住所を調べる、近くにコピーがあるか確認する、なければ取りに行く、この3つです。Cloudflareはその全部の位置に立てます。そして中身には、誰が見ても同じ「静的」と、その場で作る「動的」があります。
次の章では、Cloudflareのサービス名が大量に出てきます。ただし覚える必要はありません。4つのグループに畳んでしまえば、地図として頭に入ります。
章末チェックリスト
この章は読了です。次は第03章に進みます。